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旅の途中

水平線の もっと向こうへ

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作品の愛しかた
昨日はFM放送をブログのネタにしたこともあり、しばらくの間FMをかけながら微睡んでいた。

神戸に住んでいたころは受信できる放送局が多く、
お気に入りの番組を楽しみながら酒を呑むのが、ささやかな楽しみだった。

そんな事をふと思い出していたら、
聴いていた番組のゲストミュージシャンが、
こんなことをのたまい始めた。

「CDというフォーマットは、もう古いもの。
今後は楽曲をネットで配信してアルバムをつくらないと公言しているアーティストもいる。
一年に一枚アルバムをつてアナログ盤を発売するのが理想だけど、時代のニーズに適応性がない」

一字一句の正確さはないけれど、まあ大意はそんなようなものだった。

どうやら時代は、日進月歩の進化だか退化だかに余念がなく、
石垣島の山猿になってしまった僕にとっては、
そんなお話は、もはや四次元の世界。

閑話休題。
ついさきほどまで引っ越しの荷物を紐解いていたのだが、
そのなかに星新一の「ボッコちゃん」の文庫本があって懐かしい気持ちになった。
星新一を読み始めたのは中学生だったから、かれこれ二十年の付き合いになるだろうか。

文庫の付記に眼が留まる。
「私は各作品のみならず、短編集にもそれぞれ愛着を持っているのです。
その一方、この「ボッコちゃん」の作品配列も崩したくないという、複雑な心境です」

某ミュージシャンよりも星新一のほうが、自らの作品を愛しているように思えた。

曲紹介の後に流れ出した某ミュージシャンの曲はイントロだけ聞いて、
すぐに消してしまった。
いかにもこの時代を象徴するような、
メロもサビもソロもイントロだけで見切れてしまうライトな楽曲の構成。

僕には最後までハラハラさせながら
劇的な展開で終わりを迎える星新一の作品のほうが、
性に合っている。
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コメント

1. ボッコちゃん

芸人さんこんにちは。ボッコちゃんは、確か「おーい、でてこーい」が収録されている短編集ですね。軽妙な語り口の中で、ぞくっとさせられる結末が好きで、塾講師のバイトをしてたときに、まるまる1時間講義をさぼって中学生に読み聞かせをしたことがありました。
ところで話は変わって、僕も、アルバムの曲順って大事だと思いますよ。昔のLPはA面、B面があって、片面5~6曲でちゃんとメリハリがあるアルバムを作る人が多かったですね。ネット配信は時代の流れでしょうが、一方でそういう聴き方をしている人も多いんじゃないでしょうか。

2. なおきちさん江

中学生時代付き合っていた彼女が違うクラスになったので、
ふたりでいっしょの時間をつくるくべく彼女を同じ塾に誘った事があります。
結局彼女が塾に入る直前に僕から別れを告げたので、意味なかったですけどね。

そういや塾って、面白い先生がたくさんいたなぁ。
中学の教師は授業はほとんど忘れてるかイヤな思い出しかないけど、
塾の先生の事はいまでもバッチリ覚えています。
宮沢賢治の教え子も、同じような事を言ってました。
教育って、案外そういうコトなのかもしれません。

曲順は大事ですよね。
僕はテクニクスの古めかしいプレーヤーを愛用していたんですが、
オートローディングの機能が壊れていてLPをかけるのも、作法をこなしていました。
拾ってきたプレーヤーでモーターは動いていたんですがゴムのバンドが切れていて、
製造中止になっていたので東急ハンズでそれらしいバンドを見繕ってきて自作したりね。
いやいや、まったくオタクですわ。

曲順はもちろん、時代に呼応するような音楽は、アルバム単位でそのミュージシャンの成長の足跡や、
生きていた時代を反映していると思います。

それだけ現代は平和になったという事なんでしょうか。

iPodシャッフルの一世代目が発売された時、エラい騒ぎになったことがありますけど。
まぁ、ドラクエやWIN95ほどではないにしても。

星新一風にアレンジしてみたく思います。

「安全で平穏で快適な毎日の通勤時間をエヌ氏は過ごしていた。
完璧に空調が整えられ、微塵のほこりさえも入り込む隙間のない清潔な乗車空間。
iPodシャッフルは一見するとなんの不満もない、ひるがえせはなんの刺激もないエヌ氏の自律神経を交感させるに充分な魅力と性能を秘めていた。」
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